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[BOOKデータベースより]
日本の介護をめぐる状況は、介護従事者の低賃金や人材不足に象徴されるように、きわめて厳しい局面にある。その背景には、社会のしくみに加えて、国や地方自治体の財政に対する姿勢が深く関わっている。その構造を読み解き、報道や政府発表では見えてこない現実を明らかにするとともに、今後の方向性を示す。
第1章 日本の社会保障抑制政策―マクロ的観点からみる(「社会保障」の概念規定;社会保障関係費の抑制―二〇一〇年頃を起点として;社会保障抑制政策の継続;政策効果の観点からみた社会保障政策;社会保障抑制政策転換の必要性と改善策の方向性)
[日販商品データベースより]第2章 介護人材確保の現実―進む外国人介護労働者の受け入れ(慢性的な人材不足が生み出す社会的損失と国の人材確保策;低賃金構造が生み出す人材不足;在留資格「留学」から在留資格「介護」への移行ルート;外国人介護福祉士(候補者)の人材確保に資する官民の施策;これまでのデータから見えてくること;最新の政策動向からみた現状の再考)
第3章 介護福祉士資格をめぐる問題―保育士制度から推察される取得容易化(なぜ「保育士」の資格制度に注目するのか;保育士資格における科目別合格制度;保育士資格における地域限定保育士制度;地域限定資格の観点からみた介護福祉士;実現する可能性の高い「受験回数増加」施策;揺らぐ「国家資格」の価値)
第4章 「産福共創」戦略の死角―介護・生活援助分野の市場化(生活援助サービスの今後;厚労省における議論と見解―「デッドライン」が意味するもの;財務省による「保険給付対象外」への圧力;経産省による「介護生活援助分野の市場化」戦略;その他の議論と見解―外国人材を欲する可能性が高い「受け皿」;想定される今後の展開;「労働移民型移民社会・日本」という現実)
日本の介護は、「崩壊」の瀬戸際にあるのか――。
本書は、この切実な問いから出発し、「財源がないから仕方がない」「人手不足は避けられない」といった、いま広く共有されている“常識”に真正面から疑問を投げかける。
国の決算を丹念に読み解くと、毎年数兆円規模の「使い残し」や、想定を上回る税収が生じているという、あまり知られていない現実が浮かび上がる。にもかかわらず、なぜ社会保障は抑制され続けるのか。本書はこの核心に迫り、介護をめぐる政策の全体像を鮮やかに描き出す。
さらに、低賃金・重労働、人材不足、外国人材への依存、ICT化の推進といった諸問題が、市場主義のもとで連動しながら深刻化してきた構造を解明する。具体的な分析を通じて、「このまま進めば何が起きるのか」をリアルに提示する。
介護の問題を「個人の努力」ではなく「社会の仕組み」の問題として捉え直す視点が、いまこそ求められている。現状を変えるための打開策を、データと論理に基づき、説得力豊かに示す。
親の介護が気になり始めた方、仕事と介護の両立に不安を抱える方、そして自らの老後を安心して迎えたいと願うすべての人へ。
日本の介護の未来を考えるための、必読の一冊。